目次
- 1 産業廃棄物処理施設設置許可申請①
- 2 申請書の作成
- 2.1 ①産業廃棄物処理施設の設置の場所
- 2.2 ②産業廃棄物処理施設の種類
- 2.3 ③産業廃棄物処理施設において処理する産業廃棄物の種類
- 2.4 ④着工予定年月日
- 2.5 ⑤使用開始予定年月日
- 2.6 ⑥産業廃棄物処理施設の処理能力
- 2.7 ⑦△産業廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画に係る事項
- 2.8 ⑦-1産業廃棄物処理施設の位置
- 2.9 ⑦-2産業廃棄物処理施設の処理方法
- 2.10 ⑦-3産業廃棄物処理施設の構造及び設備
- 2.11 ⑦-4、⑦-5処理に伴い生ずる排ガス及び排水
- 2.12 ⑦-6設計計算上達成することができる排ガスの性状、放流水の水質その他の生活環境への負荷に関する数値
- 2.13 ⑦-7その他産業廃棄物処理施設の構造等に関する事項
産業廃棄物処理施設設置許可申請①
指導要綱による事前協議手続きが完了し、事前協議終了通知の交付を受けたら、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条第2項の規定に基づく産業廃棄物処理施設の設置許可申請を行います。
設置する施設が廃掃法の設置許可を必要とする施設には該当しない場合でも、都道府県条例等による設置許可が必要な施設に該当する場合があり、その場合はその条例等に従って設置許可手続きを行います。設置許可が不要な施設については、指導要綱等で廃棄物処理施設設置届を届け出る必要があります。
設置許可申請以降の手続きの流れについては、以下のとおりです。
産業廃棄物処理施設設置許可申請フロー(破砕施設等の場合)
産業廃棄物処理施設設置許可申請フロー(焼却施設等、法施行令第7条の2に掲げる施設の場合)
産業廃棄物処理施設設置許可申請は、その前段の手続きである事前協議の中で実質的な審査が終了しておりますので、設置許可申請自体は形式的な審査手続きとなりますが、焼却施設、溶融施設、PCB処理施設、最終処分場等の「法施行令第7条の2」に掲げる施設の設置許可申請については、他の処理施設とは審査の過程が異なり、標準処理期間も倍以上の日数を必要とします。
これは、焼却施設や最終処分場等の生活環境に与える影響が大きい処理施設については、その施設の設置に伴い利害関係を有する人々へあらかじめ告示し、申請内容について縦覧させ、必要があれば意見書の提出を認めるといった措置や、処理施設周辺地域の生活環境の保全に関し、専門的な知識を有する人からの意見を聴かなければならない(通称「専門委員会」)といった手続きを踏む必要があるからです。
なお、法に基づく産業廃棄物処理施設の設置許可申請が必要な施設は、「産業廃棄物処理施設」の章をご参照ください。
申請書の作成
それでは、産業廃棄物処理施設設置許可申請書の作成について詳しく見ていきたいと思います。
使用する様式は、規則様式第18号を使用します。
①産業廃棄物処理施設の設置の場所
ここには処理施設を設置する所在地について、土地謄本等に記載の所在地を記入いたします。記載に当たっては、謄本等に記載のとおり○○市○○一丁目○○番と記入します。
②産業廃棄物処理施設の種類
施設の種類は、廃掃法施行令第7条各号に記載の産業廃棄物処理施設名を記入します。
例えば破砕施設であれば、「木くずの破砕施設」、「廃プラスチック類の破砕施設」等と記入します。
③産業廃棄物処理施設において処理する産業廃棄物の種類
産業廃棄物の種類については、②で記入した処理施設で処理する産業廃棄物の具体名について、廃掃法施行令第2条各号に記載の産業廃棄物の種類を記入します。
なお、処理する産業廃棄物によっては、石綿含有産業廃棄物を含むか含まないか、水銀含有ばいじん等を含むか含まないか等まで記入します。
例えば処理する産業廃棄物に「がれき類」がある場合、石綿含有産業廃棄物を含む場合は「がれき類(石綿含有産業廃棄物を含む)」と記入します。
④着工予定年月日
着工日については設置許可が下りた後になるため、現時点では不明なので「設置許可取得後1ヵ月以内」等と記入します。
着工までの具体的な期間については、施工を行うプラントメーカー等に確認した期間でいいと思います。
⑤使用開始予定年月日
使用開始日については、「設置許可取得→設置工事→使用前検査→工事完了確認通知→使用開始」というスケジュールになり、現時点では見通しが立っていないため、「工事完了確認通知後1週間以内」等と記入します。
また、他人の産業廃棄物を受け入れて処理する、いわゆる産業廃棄物の処理を業として行う場合は、産業廃棄物処分業の許可取得後以降でなければ使用できないため、「産業廃棄物処分業許可取得後1週間以内」等と記入します。
⑥産業廃棄物処理施設の処理能力
設置する産業廃棄物処理施設の処理能力は、メーカーから提示された処理能力計算書に記載の処理能力を記入します。記入に当たっては、1日あたりの処理能力、1時間当たりの処理能力について記入します。
1日あたりの処理能力については、1時間当たりの処理能力×1日あたりの稼働時間で算出し、1日あたりの稼働時間についても記入します。
⑦△産業廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画に係る事項
△の記入項目について
△の記入項目については、できる限り図面、表等を利用することとし、かつ、次の図面等を含むこと。
(1) 産業廃棄物処理施設の構造及び設備については、当該施設の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図及び構造図
(2) 排ガス及び排水の処理方法については、処理系統図
とあり、また
「△印の欄にその記載事項のすべてを記載することができないときは、同欄に「別紙のとおり」と記載し、別紙を添付すること。」
とありますので、その指示に従って記入します。
⑦-1産業廃棄物処理施設の位置
産業廃棄物処理施設の位置については、具体的な位置を示す「位置図」や、敷地内のどこに設置するのかを具体的に示した「施設配置図」等の図面で説明します。
従いまして、「別紙『位置図』『施設配置図』記載のとおり」等と記入します。
⑦-2産業廃棄物処理施設の処理方法
処理方法については、設置する処理施設の具体的な処理方法について記入します。
具体的な処理方法については「仕様書」や「処理能力計算書」等に記載されていれば、「別紙『仕様書』記載のとおり」等と記入します。
⑦-3産業廃棄物処理施設の構造及び設備
処理施設の構造及び設備については、仕様書、処理能力計算書、構造図等に記載されていれば、「別紙『仕様書』記載のとおり」等と記入します。
⑦-4、⑦-5処理に伴い生ずる排ガス及び排水
排ガス及び排水の量については、処理能力計算書等で計算された結果が記載されておりますので、「別紙『処理能力計算書』記載のとおり」と記入し、処理方法については、処理能力計算書と併せて平面図、立面図、構造図にて排出口の位置、排出先等を図示し「別紙図面等記載のとおり」と記入します。
⑦-6設計計算上達成することができる排ガスの性状、放流水の水質その他の生活環境への負荷に関する数値
ここには、処理に伴い生ずる排ガスの性状や排出量、放流水の水質、騒音・振動等のレベルが、法令の規制値以下で排出できることを示す設計計算上の数値のことを示しており、一般的には処理能力計算書に記載されていますので、「別紙『処理能力計算書』記載のとおり」と記入します。
⑦-7その他産業廃棄物処理施設の構造等に関する事項
ここには、法令で求められている処理施設の①構造基準、②技術上の基準(法施行規則第12条、同12条の2)を満たしていることを証する内容を記入しますが、記入しきれないため、「別紙『技術上の基準』記載のとおり」等と記入し、別紙で法令の条文に記載されている基準への対応状況を作成します。
具体的には、過去に提出した以下の「産業廃棄物処理施設の技術上の基準」の例をご参照ください。
産業廃棄物処理施設設置許可申請②に続きます。